ハンドクリームを顔に塗っても大丈夫?
手の乾燥に悩む方は、1年中ハンドクリームが欠かせません。
ハンドクリームは乾燥した手を保湿してくれるので、この保湿力を顔に使っても効果があるのでは?
しかも、フェイスクリームに比べ、ハンドクリームの方が安いし、顔に使ってみたい気になりますよね。
また、旅行など出かけた際にも、いろいろなクリームを持っていくのは面倒です。特に女性は、ただでさい荷物が多いです。そんな時に、ハンドクリームを顔にも使えたらいいですよね?
ハンドクリーム、フェイスクリーム、ボディクリームなど、パーツ毎に化粧品が分かれています。どれも肌を保湿するために作られているため、フェイスクリームをカラダに塗っても、ハンドクリームを顔に塗っても重大な問題はありません。
つまり、ハンドクリームを顔に使う事ができます。
ただし、使う際にいくつか注意することがあります。
法的な決まりはない保湿クリーム類の分類ですが、配合する上ではそれぞれ特徴があります。どんな違いがあるのか見てみましょう。
■フェイスクリーム
- 他の部分に比べて薄い顔の皮膚を考慮しており、「低刺激」で「浸透性が高い」
- 使用感が良い
- 顔は皮脂腺が多いため「皮脂量をコントロール」
- セラミド、プロテオグリカン、コラーゲン、ヒアルロン酸などがよく使われる
■ボディクリーム
- 皮膚を柔らかくする「尿素」が含まれていることが多い
- 全身に伸ばしやすいよう、伸びがよい
- 1回の使用量が多いため、比較的安価でコストを抑え「成分の種類も少なめ」
- 「オリーブ油」「ホホバ油」がよく使われる
■ハンドクリーム
- 手はほかの部位よりも乾燥しやすいので、「油分」が多く保湿力が高い
- 手は水に触れる機会が多いので、バリア機能成分が多い
- やや固めで粘度が高い
- 「グリセリン」「シアバター」などの保湿成分がよく使われる
- 「尿素」が含まれているものもある
- 香りのいいものが多い
顔にハンドクリームを塗ると期待できる効果
ハンドクリームを「顔」に塗るのって、興味はあるけど自分ではいきなり試せないのですよね。
では実際に顔にハンドクリームを塗ると、どのような効果が期待できるのでしょうか?
効果1) 保湿効果が高い
手は乾燥しやすいので、ハンドクリームは油分が多くこってりした質感になっています。
とにかく保湿力は高くなっています。ボディクリームなど他にもいろいろありますが、より保湿力が高いのは、ハンドクリームと言えます。
乾燥肌の人には、このハンドクリームの濃厚な保湿成分を、顔に使ってみるといいかもしれません。
顔全体に塗るだけでなく、目や口の周りなど、乾燥しやすい箇所だけに使ってもよいです。
効果2) コストパフォーマンス
ハンドクリームは、フェイスクリームに比べ、お手頃価格です。
手は乾燥しやすいので、1日に何度もハンドクリームを塗った方がよいです。そうすると、高いクリームだと消費が早くなります。
フェイスクリームの高い美容成分は魅力的だけど、そんなにクリームにお金がかけられない。そんな人はハンドクリームの保湿成分を顔に使ってみては?
顔にハンドクリームを塗る際の注意点
ハンドクリームを顔に塗ることで高い保湿効果が期待できますが、実は反面リスクもあります。
リスク1)ニキビができやすい
ハンドクリームは、当然ですが手に塗ることを想定して成分設計されています。一日中水や洗剤、摩擦などの刺激にさらされがちな手はガサガサになりやすいため、たっぷりの油分で潤いを与え保護する必要があります。
しかし顔は手ほどの刺激を受け続けているわけではありません。そのため顔の皮膚が必要とする油分は手ほど多くないのです。
また顔は皮脂腺の多いパーツなので、分泌される皮脂量も手よりは多いです。
顔にニキビはできるけど、手にニキビはできませんよね?
ハンドクリームを顔に塗ると、必要以上に油分を与えてしまうことになり、ニキビができてしまう可能性があります。
リスク2)かゆみがでることも
顔の皮膚は手の皮膚に比べ、薄くなっています。特に目元の皮膚は非常に薄く繊細です。
そのため、顔の皮膚は刺激に敏感で、赤みやかゆみなどの異常が出やすくなっています。
手に塗っても問題のないハンドクリームの成分でも、顔に塗ると過度な刺激となり肌荒れやかゆみなどを起こすこともあるでしょう。
フェイスクリームがハンドクリームに比べて高価なのは、高効果かつ低刺激の成分を使っているから。ハンドクリームに使われている比較的安価な成分では顔に合わないこともあります。
リスク3) 敏感肌は要注意
敏感肌の人は乾燥しやすいです。すると、ハンドクリームの保湿効果は魅力的です。
ハンドクリームは高い保湿力のために固く作ってあります。敏感肌の薄い肌を塗る時に傷つけてしまう事があります。
ハンドクリームを顔に塗るときの注意点
対策1)パッチテストをする
ハンドクリームには高い保湿成分を逃さないようにたっぷり油分が入っています。オイリー肌や、混合肌の方は、ニキビができるかもしれません。油分のパッチテストをして、チェックしましょう。
もしニキビが増えてしまったら、使うのをやめてください。
ハンドクリームの中でも、さっぱりしたタイプを選んで、調節してみて下さい。
対策2)尿素配合のハンドクリームは使わない
ハンドクリームに「尿素」が配合されていたら、顔には使わないでください。
尿素は肌の硬くなった角質を溶かして滑らかにしてくれる成分です。かかとのカサカサや、ひじやひざの硬さを解消してくれます。
しかし、顔の皮膚は薄くて繊細です。そこまで角質が硬くなっていない顔に尿素を使い続けると、肌を溶かし、肌のバリア機能が低下することがあります。
顔にハンドクリームを使う場合は、「尿素」が入っていないものかどうか調べてからにしましょう。
対策3)無香料のハンドクリームを使う
ハンドクリームは、香りの強いものが多いです。いい香りだからと言って肌に優しいとは限りません。
香りの成分が合わなくて肌が荒れてしまう事もあります。ハンドクリームを使うなら、無香料タイプを選んだ方がよいです。
対策4)ハンドクリームを手で温めてから塗る
ハンドクリームはとても硬いのが特徴です。だからこそより水分を閉じ込めてくれます。しかし反対に、クリームの伸び悪いのです。
顔の皮膚はとってもデリケートです。硬いハンドクリームをそのまま顔に塗ると肌を傷つける事があります。すると、乾燥や肌荒れなどの肌トラブルになることがあります。また、無駄に厚塗りになってしまい、ニキビの原因になる事があります。
そこで、硬いハンドクリームは、手の体温などで温めて、柔らかくして使いましょう。すると肌に浸透しやすくなります。
温めてもまだ固いようなら、ホホバオイルなどと混ぜてみてもよいでしょう。または、もともと柔らかいテクスチャーのハンドクリームを使ってみましょう。
対策5)化粧水を塗ってからハンドクリームを塗る
ハンドクリームには水分補給の作用はあまりありません。ハンドクリームを顔に塗る時は、フェイスクリームと同様に、先に化粧水をつけて水分を染み込ませた状態で、ハンドクリームで蓋をしましょう。
化粧水が乾ききる前にハンドクリームを塗ると、伸びやなじみがよくなります。普段顔用のクリームを使っているタイミングでハンドクリームに置き換えるだけでOKです。
まとめ
ハンドクリームの油分は多めに設定されているので、顔用のクリームにはない保湿感があります。ハンドクリームの良い所をうまく使っていきましょう。