
アルコール消毒で、手が老化!?
看護師、介護職、食品を扱う仕事の方などは、常に手を洗ったり、アルコール消毒をしなければいけません。手荒れに悩んでいるという方も多いです。
実は、アルコール消毒は、皮膚の乾燥を招き、手荒れを引き起こすだけなく、手の老化を促進させます。
手が乾燥すると、肌の水分量が減る事で、手肌のハリがなくなります。そうすると、手がゴツゴツして、血管が浮いて、老けた手に見えてしまいます。さらに、乾燥した手肌は、角質が分厚く、皮膚が硬くなって、さらに老け込んでいきます。
手荒れや手が乾燥した状態を放っておくと、顔は若いのに、手だけオバサンになっている…なんてことも。
かといって、手荒れが嫌だから仕事を変える、なんてできません。
でも、少しの工夫で、手の乾燥や手荒れを改善させることができます。
アルコール消毒には消毒作用がある事はみなさんご存知だと思います。
医療関係、介護関係、食品関係の仕事の方は、免疫力の落ちている患者さん、年配者、赤ちゃんにウイルス感染をさせない、食材を汚染させないために、常に手指を清潔に保って、手をアルコール消毒しています。
アルコールによる消毒は、殺菌をするだけでなく、皮膚の「脱脂」をしてしまいます。
さらに、アルコールには脱水作用もあるため、頻繁に使用すると、皮膚表面の皮脂と水分の両方を奪ってしまうことになり、手が乾燥し、手荒れを引き起こします。
しかも、多くの方は、手洗いをした後にアルコール消毒を使います。そうすると、アルコールの揮発と一緒に肌の水分も失われてしまい、乾燥と手荒れに拍車がかかります。
私達の皮膚には多種類の「常在菌」が存在し、皮膚表面にバリアをつくっており、病原菌の侵入を防いでいます。
過度の洗浄やアルコール消毒は、常在菌を除去し、かえって病原菌を増殖させることにも繋がりかねません。
また、手荒れした皮膚は細菌繁殖の温床となってしまいます。
そこで、アルコール消毒を上手に使いながら、手荒れを防ぎ、かつ健康的な手肌を保つにはどうしたらよいのでしょうか?
手荒れは、手を使っていると悪化しますが、手を休ませると良くなるという性質があります。
理想を言えば、薬を塗ってガーゼや手袋などで保護をして何もしないことが一番良いです。
しかし、日常生活を送りながらそんなこともできません。そのため、いかに手に対する刺激を減らしていくか、また、荒れた手の保護をしてあげるか、というのが重要になります。
勤務中の手荒れ対策
1) ハンドクリームを塗る
勤務中と自宅でクリームを使い分けましょう。
勤務中に手袋を使う方は、手袋のラテックスを溶かす鉱物油(ミネラルオイル)が含有されていないクリームを選びましょう。
鉱物油は、赤ちゃん用の保湿オイルの主成分としても使われており、肌への刺激が少ないという特徴を持っています。多くの化粧品やワセリンなどに使われています。
クリームは、1日数回使用することで、皮膚を保護し、適度な保湿をしてくれます。
1日に何度も手指衛生を行ったとしても、皮膚保護クリームを塗っていれば、必要以上の脂質が奪われることを防いでくれます。
ハンドクリームだけでは手荒れが改善しない場合は、化粧水を併用しましょう。
乾燥を改善したい方:セラミドや尿素など保水力のあるハンドクリームを使いましょう
乾燥を予防したい方:グリセリンやワセリンなど保湿効果のあるハンドクリームを選びましょう
勤務中は無臭のクリームを使用することをオススメします。
2) あまり洗い過ぎない
特に徹底した消毒が必要な時以外は、低刺激性の洗浄剤で洗うだけでも清潔を保つことができます。
普段の手洗いにピンポイントのアルコール消毒を足すことでキレイで清潔な手指を作る ことができます。
過度の消毒や洗浄をさけて、ハンドクリームで荒れた皮膚の保護と保湿を心がけるだけで、手荒れが改善してきます。
3) お湯で手洗いをしない
お湯で手を洗うと、手肌の水分が蒸発しやすくなり、乾燥が進みます。
手が荒れているときは、適温のぬるま湯や、水を使って適度に手洗いを行うようにしましょう。
4) 手を濡れたままにしない
手に水が付いていると、水分が蒸発する時に、肌の水分までも蒸発して、水分量が減ってしまいます。その状態でハンドクリームを塗っても、これ以上の蒸発を防ぐだけで、肌の水水しさはなくなります。そして、それが乾燥と手荒れの原因になってしまうのです。
手を洗った時は、必ずペーパーで優しくふき取ります。その後に、可能な時は、ハンドクリームで保湿をしましょう。